小笠原を離れて最初の朝を迎えました。
船内にある案内板ではもうすぐ八丈島の近くを通るとのことだったので、甲板に出てみました。
重い扉を開けて外に出ると湿度の高いムッとした空気が全身を包みます。
船の周りには数羽のカツオドリが飛んでいました。この時期小笠原でも普通に見られる渡り鳥ですが、船に付いてきてしまったのでしょうか。なんとなく島の友人にあったようで、嬉しかったりします。彼らのお目当てはおがさわら丸の船首波で驚いて飛び出すトビウオ。水面上にヒレを広げて飛ぶトビウオを待ち構えて、捕まえます。逃げる魚と追う鳥。その様子を観察していた子どもたちはどちらを応援していいか、迷っているようでした。100頭ほどのイルカの群れも見えて、早起きは三文の徳だったのです。
竹芝桟橋に到着予定時刻は午後3時半。
着実に時は進み、家族と再会は近づいているのですが、子どもたちは何度となく「今、何時?」「あとどのくらいで着くの?」「早く帰りたいよう」とすでに心は小笠原からお家に移ってしまったようです。
子どもたちにとって、狭い船内に25時間以上も過ごさなくてはならないというのは、少し辛いようです。いかに楽しく過ごさせてあげるか、スタッフの今後の課題です。
そうこうしている間に、船は東京湾に入りました。
両岸にはたくさんの工場や建物が現れ、海の色も徐々に重い灰色に変化していきます。
誰もが、昨日までいた小笠原の自然と海との違いを実感するときです。
ちかーちゃんが言っていた「小笠原の海と東京の海は繋がっている。東京の海がキレイになれば、小笠原の海ももっとキレイになるんだよ」という言葉を思い出します。
ついに船は桟橋に着岸し、下船の時間です。
外を見ると、懐かしい家族の顔が!
この瞬間、皆のホームシックは頂点に達し、下船の合図を今か今かと待ちわびます。
お土産で行きよりも膨れた荷物を小さな身体で持って出口まで移動する姿は、とてもたくましい。中には先を急ぐあまり段差につまずく子もいましたが、それだけ早くお母さんに会いたいのでしょう。
手を振る家族に走りよって久々の再会を果たした子どもたちは、小笠原での大冒険を矢継ぎ早に話し始めます。その話を聞くお母さんは、数日ぶりに会う我が子の成長を感じ取っている様子でした。
キャンプで自分が何を体験し感じたのか、たくさんお話しするんだよ。そして、今日はいつもより少しだけたくさん甘えさせてもらいなよ。
みんな、頑張ったね。お疲れさま。
慣れない環境と集団生活、盛りだくさんのアクティビティやイベントで大変なこともあったと思うけれど、途中でリタイアすることなく皆無事に終えることができて、とても嬉しい。
皆がこれからどんな風に成長していくのか、とても楽しみです。
保護者の皆さま、お子様の様子や言動行動など、キャンプ前と変化したところがありましたらぜひお知らせください!
このキャンプではたくさんの人たちの協力によって行われました。
現地スタッフのりょうさんとちかちゃん、タクミとポコちゃん。BFスタッフのきぃちゃん。今回は身重のため参加できなかったけれど、準備からサポートしてくれたシネマ。ありがとう。
そして、島のたくさんの友人たち。ひとりひとりゆっくりとお礼はできなかったけれど、たくさんのお手伝い感謝です。
みんなみんな、ありがとう。
また会おうね。
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